7月24日に小平市にあるブリヂストンイノベーションギャラリーで、“あなたの知らない、世界のブリヂストン。タイヤ原材料と「走る実験室」の世界”と題した、報道関係者向けセミナーを開催しました。同社は製品に欠かせない原材料にフォーカスした、取り組みや研究開発状況について充分に伝えられていないとの認識から、基本的なゴムの世界から、技術の取り組みに至るまで幅広く伝えるべく、報道関係者向けセミナーを開催しました。以下、セミナー概要内容につき記載いたします。
(情報源;月刊タイヤ9月号)
<事業存続に向けた原材料開発の取り組みについて>
同社は2011年にリファインした環境宣言の中で、「自然と共生する」「資源を大切に使う」「CO2を減らす」の3つのメッセージを設定した。この考えをベースに同社は石油外資源活用やリサイクル材料使用する水平リサイクルの具現化を推進し、且つ、「走る実験室」であるモータースポーツにより、技術実証と価値訴求を拡大してきました。
<天然ゴム・合成ゴム・カーボンブラックの特長>
タイヤはゴムと充填剤で約75%を占める。このゴムを構成する原材料は天然ゴムと合成ゴムです。天然ゴムは東南アジアやアフリカといった赤道直下の熱帯地域でのみ栽培される、熱帯樹木のパラゴムノキから得られる樹液を凝固させた天然由来の材料で、破壊強力が大きく、金属との接着性に優れ、耐久性が求められる部材に使われるゴムとなります。
一方、合成ゴムは石油が原料となるナフサから取れるブタジエンなどを原料に、重合する事でゴムに仕上げたもので、低燃費性・グリップなど目的に応じた特性を付与する事ができる特長を持っています。
また、充填剤であるカーボンブラックは石油精製や石炭乾留で副生される油を、不完全燃焼させて生成する炭素を主成分とした非常に微細な粒子です。ゴムに配合する事で、ゴム分子間に入り込み、紐状のゴム分子をつなぎ切れにくくし、強度・耐久性並びに耐摩耗性を飛躍的に向上させる補強材としての機能を持ちます。
<天然ゴムに対する取り組み>
同社が保有する農園で生産性向上の為、各種取組や農園管理技術の向上により収量向上の取り組みを行っています。また、それらの技術を地域農家に提供する小規模農家生産性向上支援も行っています。更に、天然ゴムの新たな供給源の多様化として、乾燥地域でも栽培可能な新種の栽培種であるグアユールの開発・実用化を推進しており、天然ゴムの安定調達に向けた新たな取り組みを推進しています。
<合成ゴム・カーボンブラックに対する取り組み>
同社では、使用済みタイヤを熱分解して、オイル(ナフサ)と再生カーボンブラックを取り出し、タイヤに戻すというタイヤ水平リサイクルに取り組み中です。但し、再生カーボンブラックは新品カーボンブラックと違い、シリカ等の無機物が含まれる為に凝集しており、そのままでは使用できません。そこで、タイヤ原材料として活用する為の配合や練り技術を研究開発しながら、再生カーボンブラックの品質向上を推進しています。尚、同社は年間7,500tonの処理能力を持つ、使用済みタイヤ精密熱分解パイロット実証プラントを同社関工場敷地内に建設中であり、2027年下期に実稼働を予定しています。同社は該プラントの実操業を基に、タイヤ水平リサイクルを工業化し、且つビジネスとして運営していく考えです。
<原材料の研究開発を市販タイヤ開発に繋げる「走る実験室」>
同社は60年以上に及ぶモータースポーツの歴史があり、モータースポーツという極限の場を「走る実験室」と位置づけ、技術を磨き、技術を極めて行く事を目的として、その活動を推進してきました。その中で、既に品質向上を成し遂げた再生ブラックカーボンを使用したレーシング用タイヤを開発し、ワールドソーラーチャレンジやスーパー耐久レースに投入し実証を行ってるとの事です。今後も新たな再生資源・再生可能資源を活用した原材料をモータースポーツという「走る実験室」で実証を続け、市販タイヤへの展開を目指すとの事です。
<掲載記事原文>
原材料にフォーカスした報道関係者向けセミナー(ブリヂストン)
ー以上ー